2009年10月14日水曜日

ヤマネの天敵

今週は朝の冷え込みが0℃近くになり、いよいよ冬間近って感じの今日この頃です。


そんな折にヤマネの天敵でもあるアオダイショウの姿を見かけました。


動画でも撮影してあります。
目撃地点は山林近くの舗装道路上です。
取り立てて珍しくもないアオダイショウですが、ここ1400m近い高原では余り頻繁には見かけないモノです。
カメラを向けるとアオダイショウはそそくさと逃げ出し、近くの木に登りだしました。
京都府レッドデータブックにアオダイショウは「小型哺乳類と鳥類を主食とする。樹上性の傾向が強い」とあります。
どうりで木登りが上手なわけです。
正しくヤマネ・ヒメネズミの様な樹上に活動範囲を持つ小型哺乳類の天敵であり、実際に「アオダイショウによるヤマネの捕食記録」(林ら,1996 栃木県立博物館研究記要第13号)で事例が報告されてます。
一部を紹介しますと「1995年9月栃木県北部で行われた爬虫両生類相調査の際に、採集したアオダイショウの腹部より、捕食されたヤマネの成獣1頭と幼獣7頭が確認された」とあります。
日内休眠をするヤマネはアオダイショウの格好の獲物なのかもしれません。
食物連鎖の一事例だと思いますが、ヤマネを調査している者にしてみると複雑な想いです。

2009年8月28日金曜日

ヤマネの自然巣での繁殖




 自然の巣の中にいたヤマネがその後どうなったのか?、半月ほどたってから再び観察をしてみました。
(8月11日撮影) 

(8月28日撮影)

 前回同様に枯れ枝で巣材を少し掻き出し中の様子をうかがったところ成獣のヤマネが姿を現し、更に繁殖していて4頭の幼獣が姿を現しました。
 動画も撮影してGoogleYouTubeにアップしてあります。

 中島福男先生の著書「日本のヤマネ」(2001.信濃毎日新聞社)の冒頭写真に、ヤマネの「仔の成長記録」として出産直後~生後23日目の幼獣の写真が掲載されています。

 それと比べると今日のヤマネの幼獣は、生後12~14日目くらいの大きさかと思います。

 お盆の頃に生まれたヤマネですが、冬眠に入る晩秋まで約20g以上の体重増加が出来るのか?と少し心配になってしまいました。

2009年8月12日水曜日

自然状態のヤマネの巣

今年度からの新規巣箱調査ルートの途中にヤマネの巣がありました。
発見者は卒論でヤマネ調査を行っている学生のT.Eさんで、8/3の調査時に天狗巣病に罹ったツツジの枝で見つけられました。




発見場所は北西斜面の天然性二次林の所で、標高は約1700mの地点です。

後日8/11に写真撮影をする機会があり、ヤマネの集めたコケ巣材で出来たソフトボール大の巣を小枝で突っついてみました。
そうしたら内部で反応があり、ヤマネが顔を出しました。



ヤマネは「何事か?」って感じで顔を出しますが、すぐに顔を引っ込めます。


再び巣材をかき分けると「うるさい!!」って感じでまた顔を出します。





約2分弱の動画を撮影しましたのでgoogle YouTubeにアップしてあります。
少し手前の地点ではネズミ?が作ったと思われる枯草で出来た自然巣もありました。








ヤマネ・ネズミ共に1m弱位の高さのところに作ってあり、球形の形は似てても巣の材料は大分違う物です。

2009年4月2日木曜日

ヤマネの体重変化の一例



写真一枚目のヤマネは2006/10/3に調査捕獲されたヤマネのメスです。体重は32.1gありました。












翌年2007/5/17に再び調査捕獲された時は、13.4gでした。(写真2枚目 )


2枚の写真を見比べても見た目には余り変わりなく思えますが、体重的には58%もの体重減でした。
一冬の越冬で体重が半減以上になってしまうヤマネは、冬眠前にしっかり栄養(脂肪)を蓄えて20g以上体重がないと冬を乗り越えるのが難しいそうです。

ヤマネについて


皆さん、たまにテレビとか書籍でヤマネを見てご存知かと思います。
このブログでは「ヤマネに関すること」で私が把握できた内容をお伝え出来ればと思います。
しかし私はヤマネの専門家・研究者では在りませんので、錯誤等の誤記述に対してお叱り・ご教示の書込みを頂けましたら幸いです。
写真の右端にある白い物はスケールとして置いた100'sのタバコで約10cm在りますが、ヤマネの大きさがわかるでしょうか?。

2009年4月1日水曜日

ヤマネ生息分布域調査について


ヤマネの生息調査を行っていますが、各地のヤマネの目撃情報の収集も行っています。

「ヤマネを見たことがある」等の情報をお持ちの方、ご一報の方どうぞよろしくお願いします。

ヤマネに興味のある方々と情報交換出来れば幸いです。