2014年2月21日金曜日

雪の上に…

約一年ぶりの投稿で申し訳ありませんでした。

私が住んでいる野辺山高原も先週の大雪に見舞われ、自宅・職場と除雪に追われる日々でした。


一晩の降雪量は約1.2mを超え、玄関ドアや吐き出し窓が雪圧で開かなくなり、風呂場の小窓から外に脱出して玄関周りの雪かきをしました。

自宅前の生活道路は丸一日除雪がされなかったので一時孤立状態でしたが、翌日には除雪していただき車を出せるようになり、仕事・買い出しにも行けるようになりました。

大雪から5日目に職場の森の様子を見に行きました。林道に車を入れることが出来ないので、スノーシューを履いて雪中行軍です。


息を切らしながら歩いていると、雪上を軽やかに走り回っている動物の足跡が目にとまります。




雪上に小さな雪の穴があり、中に黒っぽい物が見えます…


一瞬、「雪上休眠ヤマネ」かと思い息を凝らえ取り出してよく見てみると…


カラマツの外皮でした…(残念!)

樹幹の着雪が落ちた時に外皮も剥がれ落ちたのでしょうか?あちらこちらで外皮が埋まってます。



他にも雪の上に…

カラマツの球果…


野ウサギの糞…
カエデの枯葉…

色々な物が雪面に埋もれています…

気象庁のアメダスで野辺山の気温を見ても真冬日が続いています。

しかし雪の上の落下物は数cmの雪穴にありました。

陽射で落下物が温まり、氷点下の外気の中でも雪面は結構、融けるものだなぁ~と実感しました。

次の降雪で雪面の落下物は埋まってしまうと思いますが、再び落下物が現れる春はまだ先です…

2013年1月24日木曜日


平成25年1月24日

哀悼

「森の珍獣ヤマネ」「日本のヤマネ」のご著者 中嶋福男先生には、かねてより病気療養中のところ、1月6日永眠されました。(享年七十八歳)
突然の中嶋先生の悲報に接し、誠に痛惜の念でいっぱいです。ご家族皆様のご心痛をお察し申し上げますとともに、在りし日を偲び心から哀悼の意を捧げます。
先生の40年にも長きに渡る「ヤマネ調査研究」の多大なる功績の偉大さを改めて痛感し、これまで多くのご指導ご鞭撻を賜りましたことにつきまして、深く深く御礼を申し上げます。
先生のご冥福をお祈りいたします。

2012月10月10日ご自宅にて


2009年10月8日研修会講演のお姿


2009年10月8日八ヶ岳演習林にて巣箱調査のご指導のお姿




2012年7月23日月曜日

塩ビ管巣箱を使用した調査結果が哺乳類科学に掲載

哺乳類科学Webページ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mammalianscience/52/1/52_15/_article/-char/ja/

この調査は2009年に卒業研究として玉木さんが塩ビ管巣箱と木製巣箱の比較調査を行なった結果です。
使用した木製巣箱

木製巣箱の背面に巣穴を明けて木片を付け、樹幹との隙間をつくり巣箱利用動物が出入り出来るようにしてあります。


木製巣箱の利用状況
①野鳥の利用

②ヒメネズミの利用


ヤマネの利用


使用した塩ビ管巣箱(写真はサイズS、他にもMとLがあります)



塩ビ管巣箱の利用状況
①ヒメネズミの利用

②ヤマネの利用


野鳥の利用は当初無かったのですが、2年目に利用がごく僅かですが認められました。


上記の塩ビ管巣箱は「小型ヤマネ科動物用巣箱」として国内特許出願を行ってます。
出願番号 特願2010-182997
出願日  平成22年8月18日
出願人  国立大学法人筑波大学

また特許出願公開され公開特許公報が発行されました。
公開番号 特開2012-039919
公開日  平成24年3月1日
詳細はソーシャルデータベース「astamuse(アスタミューゼ)」で見ることができます。
http://patent.astamuse.com/ja/published/JP/No/2012039919/詳細

※特許出願を行いましたが、塩ビ管巣箱の学術利用は出来ます。

2011年9月22日木曜日

塩ビ管巣箱が商品化されることになりました。



ヤマネが塩ビ管巣箱を利用している様子はYouTubeで見られます。

塩ビ管巣箱が「ヤマネのお宿」という商品名で販売されることになりました。
販売元は兵庫県加古川市の「株式会社 一成(環境事業部)」です。
詳しくはTEL079-428-0682FAX079-428-2427(株)一成http://www.issei-eco.com/まで。


上記の塩ビ管巣箱は「小型ヤマネ科動物用巣箱」として国内特許出願を行ってます。
出願番号 特願2010-182997
出願日  平成22年8月18日
出願人  国立大学法人筑波大学

また特許出願公開され公開特許公報が発行されました。
公開番号 特開2012-039919
公開日  平成24年3月1日
詳細はソーシャルデータベース「astamuse(アスタミューゼ)」で見ることができます。
http://patent.astamuse.com/ja/published/JP/No/2012039919/詳細


2011年4月13日水曜日

塩ビ管巣箱のこれから

塩ビ管巣箱は軽くコンパクトで取扱がよく、材料単価も安価で耐久性もありますので、ヤマネ生息調査に有効だと思われます。
ダム・道路等の建設工事の際の環境アセスメント並びに、道路が通ってない奥山等でのヤマネ生態学術調査に是非使用していただければと思います。

塩ビ管巣箱を関係各所に紹介していたところ、群馬県立尾瀬高等学校自然環境科の生徒さんから導入希望の意向を伺い、塩ビ管巣箱のプレゼンをさせていただきました。
尾瀬高等学校では武尊山で環境調査研究活動をされており、2006年からはヤマネの巣箱調査も行っています。

尾瀬高校で調査に使用している巣箱

巣箱を運んでいる様子
(東京農工大学大学院 木村園子ドロテア先生より写真借用)

2011年3月29日に生徒の皆さんにプレゼンしている様子

また文献調査の一環として、ヤマネの目撃情報をGoogle map上で分布図にしていますが、

ヤマネの生息確認がされていない地域において、是非塩ビ管巣箱で生息調査を行っていただければと思います。

上記の塩ビ管巣箱は「小型ヤマネ科動物用巣箱」として国内特許出願を行ってます。
出願番号 特願2010-182997
出願日  平成22年8月18日
出願人  国立大学法人筑波大学

また特許出願公開され公開特許公報が発行されました。
公開番号 特開2012-039919
公開日  平成24年3月1日
詳細はソーシャルデータベース「astamuse(アスタミューゼ)」で見ることができます。
http://patent.astamuse.com/ja/published/JP/No/2012039919/詳細



塩ビ管巣箱を使用してみて

塩ビ管巣箱を林内に架設した様子


塩ビ管巣箱を開けた様子

巣材を半分取り除いた様子

巣材を全部取り除いた様子

動画はYouTubeで見られます。

ヤマネが塩ビ管巣箱に出入りしている様子はこちらの動画で見ることができます。

塩ビ管巣箱を目線と同じ高さに架設することで、観察しやすくなります。
倒木・落枝等でまれに架設した塩ビ管巣箱が壊れることがあります。
しかしその場で塩ビ管とツーバイフォー材をつないでいる結束バンドと支え棒を交換するだけで元に戻ります。

上記の塩ビ管巣箱は「小型ヤマネ科動物用巣箱」として国内特許出願を行ってます。
出願番号 特願2010-182997
出願日  平成22年8月18日
出願人  国立大学法人筑波大学

また特許出願公開され公開特許公報が発行されました。
公開番号 特開2012-039919
公開日  平成24年3月1日
詳細はソーシャルデータベース「astamuse(アスタミューゼ)」で見ることができます。
http://patent.astamuse.com/ja/published/JP/No/2012039919/詳細


塩ビ管巣箱の特徴

塩ビ管巣箱の特徴は、板材を組上げた巣箱と違い「釘・木ネジ」を使用していないことです。

塩ビ管巣箱組立に必要な部材・道具

簡単に組み立てることが出来ますので、巣箱調査地までコンパクトに資材を運び、組立・架設が出来ます。

市販の木製巣箱と3個分の塩ビ管巣箱の部材の容積比較。

塩ビ管直径が異なるサイズの塩ビ部材は重ねて運べます。
サイズS 容積200cc 重さ190g
サイズM 容積350cc 重さ250g
サイズL 容積500cc 重さ300g
塩ビ管巣箱3個分の重量は、大きい木製巣箱と同じくらいの重量になります。

サイズSの塩ビ管巣箱を利用したヤマネ

木製巣箱との巣箱利用率を比較したところ、ヤマネは塩ビ管の素材や大きさも気にせず、木製巣箱と同率の利用が確認されました。
日本生態学会第57全国大会(2010年3月、東京)講演要旨


上記の塩ビ管巣箱は「小型ヤマネ科動物用巣箱」として国内特許出願を行ってます。
出願番号 特願2010-182997
出願日  平成22年8月18日
出願人  国立大学法人筑波大学

また特許出願公開され公開特許公報が発行されました。
公開番号 特開2012-039919
公開日  平成24年3月1日
詳細はソーシャルデータベース「astamuse(アスタミューゼ)」で見ることができます。
http://patent.astamuse.com/ja/published/JP/No/2012039919/詳細